太陽光発電でちょっとだけ経済的自由を手に入れてFIREを目指そう

これから産業用太陽光発電に手を出すのは危ない!と言われる2019年。そんな中で購入することとなった(購入しちゃった)太陽光発電所を夫婦二人三脚で運営していきます♪

パワコンのサブスク?オムロンの『パワーコンディショナー定額貸し出しサービス』を考える

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音楽もサブスク、映画もサブスク、果ては洋服やバッグもサブスクとサブスクがアタリマエとなりましたが、太陽光発電のパワコンもサブスクの時代が到来するのでしょうか?

オムロンから『パワーコンディショナー定額貸し出しサービス「POWER CONTINUE」』のプレスリリースがありました。

僕は2019年12月から、野立て太陽光発電事業を営んでいます。
本業である会社員生活と無理なく両立できる範囲として、3基の太陽光発電所を運営しています。まだまだ駆け出しですが、気になるサービスだったので資料をいただいて読んでみて思ったことを残しておこうと思います。
※あくまでもヒヨッコの書いたモノですので、認識が誤っているものや書き足りないものもあるかもしれません。お気づきの点は優しくコメントいただけると嬉しいです。

 

 

1.パワコンって壊れるの?

結論から言うと、パワコンは壊れます(←実体験)

実際に、僕の発電所でも稼働開始から半年程度で1台が故障しました。

機械ですからいつかは壊れる可能性はあるわけですが、いざ壊れてみるとじゃぁ次にどうしたら良いのかが分からず猛烈な不安に駆られます。セミリタイヤ(今はFIREと言うの?)した方や、太陽光専業の方であれば大したことのない話なのかもしれませんが、僕のように勤め人の傍らで太陽光発電を営んでいる場合、不安なあまりに本業に支障をきたすのは絶対に避けねばなりませんが、心配事を抱えたまま何日も業務に打ち込むなんてことできません。

パワコンの保証期間は販社によっては様々ですが、重要なのは15年後に故障したそのタイミングで販社さんがあるかどうか?という観点も必要だと思っており、仮にそのときに販社さんが残念ながら太陽光発電事業から撤退していると、結局自分でいろいろな手続きやら手配をせねばならないことになります。
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パワーコンディショナー定額貸し出しサービス「POWER CONTINUE」であれば、あくまでも資産はオムロンの持ち物ですから、オムロンに連絡して対応してもらうことができます。

2.POWER CONTINUEとはどんなサービス?

一言でいうと、パワコンのサブスクです。
オムロンが所有するパワコンを借りて自社の太陽光発電所で利用し、パワコンの利用料をオムロンに支払います。
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2-1.新しい機種のパワコンになります

設置するパワコンは現在主流のKPV型番になります。
従来のKPMからKPVへ変更した場合、発電量はおよそ1.6%増加するそうです。
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たとえばオムロン社の試算では、1台の交換で年間約3,800円、9台とも交換すると年間約34,000円もの発電量の押上げ効果が期待できるとされています。
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これはこのサービスを利用せずともパワコンを新しくすれば得られる効果なので、自己の環境ではどれほどメリットのあるものかシミュレーションが必要ですね。

2-2.償却資産税の対象にならない

POWER CONTINUEでは、オムロンのパワコンを賃借する契約になります。
そのため、固定資産にあたらないことから償却資産税が発生しません。
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パワコンを自己所有で交換するかどうかは、この点も含めて試算する必要があります。

2-3.交換作業・旧機種引取り費用もサービス料に含む

サービス料には、古いパワコンを取り外して、新しいパワコンを取り付ける費用も含まれます。また、取り外した古いパワコンの処分料も含まれています。

2-4.動産保険加入&駆けつけサービス

設置するパワコンには動産保険が掛けられており、また障害時の駆け付けも含まれていることから、パワコンに何か問題が発生した場合でも安心して対応を任せることができます。

3.POWER CONTINUEの対象者は?

残念ながら、パワーコンディショナー定額貸し出しサービス「POWER CONTINUE」はだれでも申し込むことができるわけではありません。

3-1.残りの売電期間が12年以内であること

サービス開始直後による制限なのか、一般的にパワコンが持ちこたえられる期間を想定しての制限なのか、残りの売電期間が12年以内の場合に当サービスを申し込むことができます。 
2021年の申込対象は、2012年・2013年に運転開始された方とされています。
 

3-2.オムロン製パワコン(KPM)利用者であること

今現在オムロン製のパワコン(KPMシリーズ)を利用している場合に、当サービスを申し込むことができます。

3-3.システム容量は11kW~49.5kWまでの発電所であること

5.5kWのパワコン2台という意味で11kW以上としていると想定できますが、いわゆる全量買取りの低圧発電所を対象としたサービスとのことです。 

3-4.設置形態は地上設置(野立て)

野立ての太陽光発電所が対象です。
おそらくは自宅屋根の発電所のケースでは、パワコンを外壁に取りつけていたりすることがあることからの制限かと推測します。

3-5.対象からズレる場合も一度相談を

サービス条件の後ろには「※サービス対象者かどうかご不明な場合、一部条件を満たしていないが導入をご希望のお客様は、お問合せください。」との一文があります。
上のサービス対象はあくまでも一般的に受け付けられる環境を記載したものと思いますので、個別の環境によっては案件を受けられる可能性がありますので、気になる場合は一度相談してみると良いかと思います。

4.POWER CONTINUEの利用料は?

あまり細かい料金表は公表されていません。
残りの売電期間が10年で、9台とも交換した場合、月額14,290円(年額171,480円)でサービスを利用できるとされています。
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単純に9で割り切れる数字でないことから、パワコンの導入台数や残存期間に応じて料金が提示されるのではないか?と推測します。

5.POWER CONTINUEのデメリットは?

デメリットというよりも、むしろ情報が乏しいので不安…というレベルですが、提案書を読んでいて次のような情報があると嬉しいなぁと感じました。 

5-1.見積もりしないことにはサービス料が分からない

ホームページや資料には「10年、9台貸出しで月額:14,290円(税抜)」との記載はありますが、12年契約だともう少し安くなるの?逆に5年契約だともっと高くなるの?という情報に乏しく、「10年、9台貸出しで月額:14,290円(税抜)」が適正なのかどうか判断がつきません。
2021年の申込対象は「2012年・2013年に運転開始された方」としている手前、12年契約や11年契約がどの程度かかるかは概要提案書に記載しておいてほしかったです(←そもそも対象外なんですけどね(^▽^;)

5-2.途中解約するとどうなるのかが分からない

あまり考えられないシナリオですが、当サービスの利用開始後に自前でパワコンを用意できた場合に、当サービスを途中解約するとどうなるのかが読み取れませんでした。
一般消費者向けのサブスクでは拘束期間を設けないのが一般的だと思いますが、オムロンのPRにサブスクの表記を使っていないのは、もしかしたら拘束期間や重いペナルティがあるのではないか?と勘ぐってしまいます。

5-3.発電所の動産保険は解約してはダメ

サービス内容に動産保険がサービス費用に含まれるとありますが、これはあくまでもパワコンに関する動産保険が掛けられていると考えたほうが良さそうです。
そのため、パワコン以外のパネルであったりフェンスといった資産は、引き続き動産保険を掛け続ける必要があると考えられますので、解約してはダメということになります(保険料を削減できる可能性はあります)。

5-4.FIT期間終了後の扱いが分からない

売電期間が満了する20年まではこのサービスで良いとして、その後はどうなるの?という点が読み取れませんでした。自己所有の土地で運営している場合だと、20年間の固定買取期間経過後も発電し続けるというケースが多いのではないでしょうか?

となると、パワコンのレンタルはサービス終了だから引き上げますね!と言われてしまうと困ってしまうことになります。この点は、サービスを契約するかしないかの意思決定上必要になると思いますので、今のうちからはっきりさせておいたほうが良いのではないかな?と思いました。

6.まとめ

と、まぁオムロンのパワコンも使ってないわ、発電開始したばかりだわで、このサービスの対象にまったくかすりもしない僕が、無責任にも提案書を読んで感じたままを書いてみました。

冒頭にも書いた通り、これほどまでに僕たちの生活にサブスクが根付いてきた今、今後もこういったサービスが増えることは予想されます。今回はオムロンというメーカーがサービス開始するとのことですが、決してメーカーじゃないとできないサービスというわけでもないので、引き続き注視していきたいと思います。